とある会社員の日常

育児、仕事、家事、趣味に全力投球する会社員の物語。世の中の男子諸君!充実した日常を過ごすためにはこのブログを読むべし!

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山キャンで恐怖を愉しむ!~アウトドア~

昔むかし、とある山でキャンプを実行した私がいた。

 

そう、山登りをしながらキャンプを実行し、一晩の飯と朝のコーヒーを楽しむというもの。

 

昼からの出発。

登山コースではあったがポツリポツリと人がいる程度。

山の中腹でテントを張れる場所を探索しながらの登山。

「ここでもない」「ここでもない」となかなか適当な場所が現れずにいた。

そして、気がつけば周りは薄暗くなっていた。

 

 

 

そう、山では通常よりも日が入らず日没を待たずに暗くなるのだ。

その事を頭に入れていなかった私たちは、大急ぎで場所を定めテントを張る。

 

慣れないテント張りに気が付けば周りは深い青色となっていた。

 

ヘッドライトを装着しながらの設置。

 

 

 

冷や冷やしながらも無事にテントを張り終える。

 

そして、待ちに待った夕食だ。

辺りは真っ暗。

 

物音と言えば木が風に煽られカサカサと葉っぱが擦れる音だけ。真っ暗でその木すら見えない。

 

そして、バーナーでお湯を沸かしてラーメンを楽しむ。

 

相変わらず周りは暗い。

ヘッドライトが照らす方向にだけ視界が広がるも、その横は闇。

ストレスを感じる。

普段の灯りが、如何に当たり前に安心感を与えていたかを強烈に感じる。

 

そして、夕食を終えた私たち。

 

用を足すにも、緊張が走る。

 

 

この緊張は、ただ暗いだけのものでは無かったと後で知ることになる。

そう。その時、知らず知らずに何者かの気配を感じていたのかもしれない。

 

 

緊張や恐怖という感情を悟られまいと、たわいも無い会話をしながら、寝袋に入った。

 

10月上旬の山。

思った以上に寒く。

ホームセンターで間に合わせで買った寝袋では、その寒さは凌ぎきれていなかった。

 

寒さを凌ごうとテントの中、一酸化炭素中毒に注意しながらバーナーで暖をとる。

 

いろいろと反省があり話題をしながらも、非日常的な体験とサバイバル感が楽しく、話は盛り上がっていた。

 

そして、時間を忘れ、時計も見ずに眠りにつく。

足先が凍え、何度か目が覚める。

 

 

用を足しに外に出る。ヘッドライトを付けると明かりが一面の霧に反射し、真っ白に映る。

 

風は止み、歩く度に枯木と枯葉の砕ける音が静けさをより強く感じさせていた。

 

やはり恐怖という感覚がまとわりついているのであろう、用を足し終え足早にテントに戻り安心感を取り戻す。

 

 

 

 

 

 

ガサガサ

ガサガサ

風では無い物音に起こされ目を覚ます。

何分、いや何時間寝ていたのだろう。

時計を見ずにいたため、時間の平衡感覚を狂わされ、虚空感すら感じていた。

 

そして、起きた原因を「ガサガサ」という音であったと思い出す。

 

風だと思うようにしながら目を瞑る。

 

ガサガサ!

ガサガサ!

 

 

音が近ずいて来ているのをはっきりと感じた。

 

 

カサカサ・・・

カサカ・・・・

 

音を遠くに感じる。

 

安心と恐怖の繰り返しに完全に目が覚める。

 

テントには窓が無い。

外の様子が全く分からず、音だけで想像しなければならない。

 

しばらく音が止み。

 

 

いつの間に寝てしまっていた。

 

 

 

しかし、明らかに、何者かが、何者であるか分かる音で目が覚める。

 

 

ヒューーン!!!

ヒューーン!!!

 

 

鹿である。

 

 

しかし、鹿の鳴き声をこんな間近で聞くことは無く、本当に鹿なのか不安に思う。

いや、鹿であっても安心は出来ないが、熊では無いだろうという程度の安心感。

 

ガサガサ!ガサガサ!

音がすぐそばまで来ている

 

ヒューーン!!ヒューーン!!

 

 

寝ているフリをする。

 

友達に対してなのか鹿であろう者に対してなのかは、誰に対してなのかは自分でも分からない。

 

 

息を殺すようにしていると、またいつの間にか眠りについていた。

 

 

 

そして、夜が空ける。

 

周りは霧で真っ白のまま。

 

昨晩見たものとは、全く別物ではあったが、こんな状況だったのだろうと想像を広げる。

 

 

 

 

そして、視界の限りでは何者かは居ない。

 

安心して朝のコーヒーを愉しむ。

 

 

霧が晴れ、一気に山頂を目指す。

 

 

 

2時間程歩いた後、またもコーヒーを飲みながら壮大な景色を愉しむ。

 

昨晩居合わせた何者かが、私たちの気配を感じ、居合わせまいと生息しているのだと思うと、山の色も一つ一つに一層の深みを感じる。

 

無事に下山した2人は何者かとの遭遇が笑い話となり、深く強い思い出となった。

 

 

 

 

自然を愉しむということは、自然を理解しなければならない。

 

 

枯葉一枚、小枝一本にもドラマを描き愉しむ事で、自然に足を踏み入れるキャンプというものが許される気がした。

 

チャンチャン